ジャズヴォーカルリストMAKIのデビューアルバム“CHARADE”がついにリリースされた。彼女を力強くサポートしたのは、日本ジャズ界の未来を背負うヤングライオンズと素晴らしいエンジニアたちだ。
MAKIは日本古来の伝統芸能への造詣が深く、洗練された所作に魅力を秘かに感じているファンが少なからずいる。以前からボサノバには慣れ親しんでいたが、今回ジャズという未踏のジャンルに足を向けさせた動機は何なのか。おそらく多種多様な音楽を貫く普遍性、すなわち歌にこめられた“愛”こそが、数多くの人々に感動を与えるものであり、それがヴォーカルの醍醐味かつ幸福なのだと思い至ったからではないのか。それは一定の高みまで経験した者にしかできないチャレンジなのだろう。さもありなんと言わざるをえない。
愛は情熱。愛は誓い。愛は調和。愛は喜び。愛は言葉。愛は永遠。特に謎めいた愛、セクシーな愛、リッチな愛に強く惹かれる彼女が選んだ楽曲では、まさに様々な愛のかたちを寿ぎたいという願いとその時代背景を大切にしたいという想いが伝わってくるからだ。どうか存分に、「シャレード」な彼女の音楽性の深さ、表現力の豊かさを感じ取っていただきたい。もっともその潜在力すべてをこのCDで味わうことは不可能なのだが。
さあ、次のナイストライが楽しみだ。ジャズに乾杯!サイドメンとエンジニア、デザイナーに乾杯!そしてMAKIに乾杯だ!!!
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収録楽曲
1. I Wish You Love (Charles Trenet & Leo Chauliac/Albert Beach) <6:19> - 2. So in Love (Cole Porter) <4:59>
- 3. Waltz for Debby (Bill Evans/Gene Lees) <5:47>
- 4. Lullaby of Birdland (George Shearing/B.Y.Foster) <3:22>
- 5. Charade (Henry Mancini /Johnny Mercer) <4:52>
- 6. Close Your Eyes (Bernice Petkere) <5:14>
- 7. Days of Wine and Roses (Henry Mancini/Johnny Mercer)<4:20>
- 8. You and the Night and the Music (Arthur Schwart/ Howard Dietz) <4:18
- 9. No More Blues (Antonio Carlos Jobim Vincius De Moraes/Jon Hendricks & Jessie Cavanaugh) <3:56>
- 10. That Old Feeling (Sammy Fain/Lew Brown) <4:29>
- 11. Alfie (Burt Bacharach Hal David) <3:52>